終活は「自殺の準備」なのか。真の目的と未練なく生きるための心構えを学ぶ
終活は、誰もが避けられない人生の終わりに備えることです。しかし世の中には、終活をすることを「自殺の準備」と捉える人もいます。確かに生きている間は、人は生きている限りは「死」をできるだけ遠ざけたいものです。でも終活をしっかりしておくことで、残りの人生をどのように生きれば良いのかが明らかになります。そういう最後であれば、最良の人生であったと言えるでしょう。そこで終活をする上で知っておきたい、真の目的と未練なく生きるための心構えなど紹介していきます。
終活は何のためにやるのか
終活は、その名前にあるように終わりのための活動を意味します。生きている間に行って見たかった場所を旅行したり、久しく合っていない友人と食事をすることで気持ちの整理をつける人もいます。家族の負担を減らすために、身辺整理で不要なものを処分したり、相続について遺言書を作成するというのも終活です。
そうした作業をしていくことで、自分の人生を振り返り発見ができますし、大切な人たちに対する気持ちを再確認できたりします。さらに、終活をすることで、残りの人生をどうやって過ごしたいのかが見えてきます。無計画に生きるのではなく、やるべきことを明確にしてライフプランを組み立てていくことで充実した余生を送れます。
ということで、「自殺の準備」と考える人もいますが、むしろ逆で精一杯生きようとするからこそ、「死」と正面から向き合おうというのが終活です。誤ったイメージで終活を遠ざけていたならば、それを改めて積極的に終活をしたほうが人生を豊かにできます。
終活で重要なアイテムとなるエンディングノート
終活をするときには、やるべきことがいろいろとあるので、頭の中で考えるだけでは何から手を付ければいいのかわからなくなります。また、家族や友人たちにも関わることであれば、はっきりと見える形にしておかなければいけません。
そこで使われているのがエンディングノートです。エンディングノートは、このように書かなければいけないという決まりはないので、自分の思う通りに作成してかまいません。ただし、内容が錯綜していると自分以外の人が読んだときに理解しにくくなります。なので、相続についてまとめている部分、認知症などで判断力が失われたときのために持病や服用している薬の情報などカテゴライズをちゃんとしておくべきです。注意点としては相続についての指示を書いていても、遺言書とは違って基本的には法的な効力を持ち込ません
そうして必要なことを書いて余ったページに、口にできなかった家族への感謝の気持や希望をメッセージとして残しましょう。エンディングノートは単なる伝達事項を残すためのアイテムではなく、気持ちのこもった遺品となります。
終活で未練なく生きるための心構え
終活をするときに未練をなく生きるための心構えとは何かというと、「生きたい」という気持ちと未練になりそうな全て片付けていこうという気持ちを同時に持つことです。「死」はとても恐ろしいけれども、その準備をしていくと自分は「生きたい」ということがはっきりとわかります。そしてなぜ「生きたい」のかという事を考えるとき、もっと家族や友人と楽しい時間を過ごしたいとか、人間関係で問題とあった人と仲直りがしたいといった未練も浮き彫りになります。「死」はいつ訪れるのかわからないのですから、ただのんびりと過ごしていると何もできないままで終わる可能性があります。終活を良い機会に未練を片付けるに「生きる」という目標を掲げておけば、少しずつですが先にすすめます。そのようにして時間がかかっても未練をすべて消してしまえば、あとは満足した状態で「死」を迎えることができます。また終活をすることで「生」を意識するようになれば、「死」を恐れるも薄れるでしょう。
終活はいつから始めればいいのか
終活というと、還暦を過ぎて何もすることがない人が始めるものだと思うかもしれませんが、そんなことはありません。確かに日本人は平均寿命から見れば長生きをしますが、ある程度の人は70歳、80歳になる前に亡くなります。それは、厚労省の発表している生存率を見れば明らかです。ですから、若いときから始めても問題はありません
では、終活をいつから始めればいいのかというと、定年を機に始める人が多いでしょうが、他には病気をしたときや身近な人が亡くなったときが良いきっかけになります。そして、将来のことがわからないのですから、特に人生で大きなイベントがなくても思い立ったら終活をやってみるのも良いでしょう。ひとつ言えるのは、終活にはいろいろと調べたり手続きを行う時間が必要なので、早めに始めればそれだけ完璧な準備ができます。残りの人生を有意義に過ごすため、そして遺される家族のためという終活の真の目的がわかったならば、迷わずやってみましょう。
まとめ
終活は「自殺の準備」と誤解する人もいますが、残りの人生を精一杯生きるために、遺される家族の負担を減らすためにやることです。エンディングノートで、やるべきことや家族に伝えたいことをまとめていけば、いざというときに役立ちます。未練となることを片付けるため「生きる」ということを心がけて終活に集中していれば、死を恐れる気持ちも薄れるでしょう。そんな終活は、定年や病気をきっかけにする人もいますが、思い立ったときに始めても問題ありません。むしろ、早めに取りかかれば完璧な準備ができますから迷うことなくやったほうが良いです。