エンディングノートの基本の書き方。必要最低限の項目と、継続するためのコツを教えます
以前は自分の死後のことに関しては遺族に任せていましたが、近年自分の死後残った子どもや周囲の人たちに迷惑をかけないように、生きているうちに家の中のモノや財産に関しても整理をするなどの終活をする人が増えています。その中で、エンディングノートを書く人や書きたいと希望をする人も少なくないのです。では一体エンディングノートとはどのようなものなのか、そして正しい書き方はあるのか、あるとすればどのような項目を書けばよいのかなど、エンディングノートについての説明をします。
エンディングノートとは何か
エンディングノートのエンディングは、人生の終わりを意味します。もし認知症になったり意識を失ったりして自分の意思を家族に伝えることができなくなった時、延命処置を希望するしない、どのような葬儀をするかなどを書き留めておけば、遺族が迷わずにその意思の通りに動くことができます。自分の財産についても詳しく書いておけば、自分の死後必要になる費用の捻出に遺族が困ることなく財産分与に関してもスムーズに行うことができるのです。
また自分が歩んできた人生を振り返って思い出に残ったことや現在の気持ちなどを書くことで、遺族が読んで故人を思い出しつらい気持ちを和らげるだけでなく、書いた本人が生きているうちに再度読み返して人生を振り返り、週目つきの過ごし方を考えるきっかけにもなります。このように元気なうちにエンディングノートに様々なことを書いておくことは、自分の人生を改めて考え直すことができると同時に、遺族に対する思いやりの証ともなるのです。
エンディングノートと遺書との違い
エンディングノートが知られるようになるまでは、財産分与や今後の希望などを書き留めておくのは遺言書でした。遺言書というのは、法律で定められた方法で書かないと効力がないので、決まった書き方をせず自分の好きなように書くだけでは、何の意味も持たないことになります。そのため、弁護士など法律に詳しい専門家の力を借りて書くこともあります。しかしその分、法律通りに書かれた遺言書に書かれた内容に関しては、100%効力を発揮することができるのです。
一方、エンディングノートは書き方に何の法則も決まりもありません。自分の好きなように書けばよく、専門家のサポートも不要です。その分財産分与や相続に関することなど、すべてが希望の通りにかなうわけではありません。それでも遺言書には書けないようなことでも自由に書くことができ、自分の死後は遺族が困らないように葬儀やお墓のこと、遺族への思いなど生前伝えられなかったことを遺族に知ってもらうことができるノートです。
エンディングノートに最低限書いておきたい項目
エンディングノートには遺族に自分の知ってもらいたいことを記すので、最低限書いておく方が良い項目があります。まずは自分の基本情報についてです。生年月日や本籍地、血液型やマイナンバーなど自分のことについて詳しく記しておくと、意識を失ってしまってからや死後の手続きなどに役立ちます。自分の長所や短所なども書き出しておくと、今後の生き方を見つめることにも役立つでしょう。
次に財産や資産がどのくらいあり、保管場所なども書いておくと家族が対応しやすくなります。それから家族や親族のことです。感謝の気持ちや思い出話を書いておけば、自分の死後でも気持ちを伝えることができます。家族だけでなく友人や知人に関しても同じです。
そのほか延命措置をするかしないか、とか葬儀やお墓のことも希望があれば書いておきます。そして現代の世の中ならではの重要なことがあります。それは携帯電話やパソコンなどのIT機器のIDやパスワードを記しておくことです。大切な情報が入っているにもかかわらず本人しかわからなければ遺族が困ることになるので、書いて残しておきます。それと定期的に購入していた商品があれば、その商品名と店舗の連絡先を控えておくことも大切です。
エンディングノートの書き方について
エンディングノートに使うノートはどんなものでもよいので、自分の好きなものを選びます。書き方も自由ですが、自分が書いて遺族たちに読んでもらうものなので読みやすいように書く必要はあります。例えば財産について、どの銀行や証券会社に入金してあるかということを書く場合、表にして金融機関名や口座番号、預貯金学などを書いておくと見やすいです。ペットの世話を依頼するときは、どのようなフードを食べているか、持病の有無や性格なども細かく書いておくと良いでしょう。
とにかく見やすくわかりやすくすることが重要なので、あまり長文で書くよりは表や箇条書きを活用して書くようにします。思い出話や感謝の気持ち、自分の人生の振り返りなどについては誰にあてたものかを明記してメッセージを書き、写真なども貼っておくと相手にも喜ばれるでしょう。
エンディングノートには個人情報がたくさん書かれているので見つけやすいのは困りますが、いざとなったときに見つからないのも困るので、信頼できる親族に保管場所を伝えておきます。
まとめ
エンディングノートに必要なことを書いて残しておくと、自分の死後遺族が迷ったり対応に困ったりすることが減ることや生前言葉では言えなかったことが伝えられます。使うノートも書き方も自由なので何を書いてもよいのですが、見やすくわかりやすい文字と書き方にだけ注意をしてエンディングノートを作成することは、遺族への思いやりと自分の今後の人生のために大きなメリットがあるのです。
ひと昔前までは老後や死後のことは家族などに任せていましたが、エンディングノートを書くことが普及することは最後まで自分に責任を持つようになってきているといえます。